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コメの科学

 

米は、小麦やとうもろこしとともに、世界三大穀物の1つです。

日本だけでな くアジアを中心に、いろいろな国で米が作られ、その地域に住む人々の命を育 んでいます。

1.米について

1-1 米の品種

① ジャポニカ種

・形状 形が短く丸く、粘りが大きい

・米粒の幅・長さ 1:1.8

・エリア 日本や朝鮮半島、中国北部、台湾、やアメリカ西海岸など、北緯30度以北や南緯30度以南の地域

 

② インディカ種

・形状 形が細長く、粘りが少ない

・米粒の幅・長さ 約1:2.5

・エリア インド、タイ、中国中南部、アメリカ合衆国など気温の高い地域

 

③ ジャバニカ種

・形状 ジャポニカ種とインディカ種の中間的な性質を持つ

・エリア インドネシア、イタリア

 

1-2 米の栄養成分

・米の成分は炭水化物約75%、たんぱく質約6~7%、脂質約1%、水分約15%

・主成分である炭水化物の大部分がデンプンである。

 

デンプンを構成している成分比からうるち米ともち米に分類される。

・うるち米のでんぷん・・・アミロース※1約20%、アミロペクチン約80%

・もち米のでんぷん・・・アミロペクチン※2100%

  ※1 アミロース:ブドウ糖が直鎖状につながっている

  ※2 アミロペクチン:ブドウ糖が枝分かれ状。アミロペクチンが多いと粘りが強くなる。

 

1-3 米の特性

・うるち米の粉→上新粉。粒子が大きく吸収量が少ないので熱湯でこねる。

・もち米の粉→白玉粉。粒子が細かく、水でこねる。  

 

☆米を使った米製品

①うるち米

・でんぷん構造:アミロース20%+アミロペクチン80%

・粘性:少ない

・用途:飯、上新粉、ビーフン、酒、酢

 

②もち米

・デンプン構造:アミロペクチン100%

・粘性: 強い

・用途: おこわ、白玉粉、道明寺粉、餅、みりん

 

1-4 無洗米について

・無洗米とは

精白米の表面に付着している肌ヌカを取り除いた洗浄の必要が無い米のこと。

近年の社会生活の変化に伴って、洗米から始まる炊飯時間の短縮、生活排水の節水などからとがずに

炊ける無洗米が開発された。

 

   (胚芽・ヌカ除去)     (肌ヌカ*1 除去)

玄米     →     精白米     →    無洗米

 

*1 肌ヌカ :精白米の表面に残っている粘着性の高いヌカのこと

 

2.米の炊飯について

2-1 洗米

玄米から胚芽・ヌカを除去して白米にしたものを精白米と呼びます。

精白米の表面にはまだ「肌ヌカ」と呼ばれる粘り気のあるヌカが残っています。

炊飯前に精白米を研ぐ目的はこのヌカや汚れを取り除くことです。

洗米時に約8%の水を吸着します。 

無洗米はすでに肌ヌカが取り除かれています。

洗米しない分、洗米時に流出する水溶性のビタミンB1やナイアシンなどビタミンB群の栄養素が残っており、それらは脂質や糖質の分解、神経症状や皮膚・粘膜の炎症を防ぐ効果があります。

 

2-2 加水量(水加減)

・うるち米の炊き水の量は米重量の1.5倍、米容量の1.2倍。

・無洗米の炊き水の量は米重量の約1.6倍、米容量の約1.3倍。  

 

無洗米はとぎ水の付着がない分、炊飯すると無洗米の方が硬くなるので普通精白米より約5%程度(1合当たり大匙1~2杯)加水量を多くする。

無洗米1合に対して、炊飯器の目盛り1に水大さじ1~2杯プラスする。

 

*無洗米専用計量カップがある場合・・・

従来洗い捨てていたヌカの分量だけ、少な目に計ることができる。

 

*計量カップが無い場合(炊飯用カップで無洗米を計るとき)・・・

肌ヌカをとぎ洗いして流さない分、精白米より米の正味量が多くなるので炊飯器の目盛りより水は多く入れる。米1合につき大匙1から2杯、水を増やす。

 

 

2-3 美味しい味付け飯(炊き込み飯)の作り方

 *塩、醤油、清酒、みりんなどを加える味付け飯の炊飯では、塩や醤油が米の吸水を阻害するため、

(精白米も無洗米も)あらかじめ水だけで浸漬し、加熱直前に調味する。

 

3.米の保存について

お米は生鮮食品です。お米を保存する上で気をつけたいポイントは、  

 ① 保存場所  ② 保存容器  ③ 保存期間  

 

① 保存場所

「冷蔵庫」を推奨。直射日光・高温・多湿を避ける。(湿度70%前後、温度15℃以下)

貯蔵する温度を下げることで、酸化する速度を遅らせ、美味しさがある程度持続。

 

② 保存容器

「米びつ」「チャック付きのビニール」「ペットボトル」など密閉容器。

米は臭いを吸着しやすい性質があり、空気に触れていることで乾燥・酸化が進んでしまうので、清潔な密閉容器に保管する。

 

③ 保存期間 

精米した米は脂質やミネラル成分が気温が高いほど劣化してしまいます。

精米してからおよそ2週間を過ぎると、味が少しずつ落ちてくるので、常温では夏場20日程度以内、

冬場40日程度以内に食べるように。

夏場は精米を冷蔵庫保管したほうが劣化防止になります。

 

《常温の場合、保存目安期間》

4月~5月頃まで               約1ヶ月 

6月                     約20日~25日

7月~9月上旬頃まで             約15日

9月中旬~3月頃まで             約2ヶ月

   

※ お米はペットボトルを活用して冷蔵庫保存を推奨します。お米は、密閉された状態で保存すると臭いもつきにくく酸化も防ぐことができます。

また、無洗米は、酸化しやすい肌ヌカを取り除いているので、精白米より長持ちします。

 

4.無洗米のまとめ

①洗米の手間が省けることによる時間の短縮と節水

②洗米による栄養素の流失がない。

③精白米より長持ち。酸化・劣化がしにくい。

④環境にやさしくエコ。

⑤災害時にも安心。

 

※このページで使用している画像等は、農水省公式サイトの和食文化の保護・継承ページの素材を引用しております。